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スレート、コロニアル屋根の特徴と塗装料金

一般住宅で使用されている屋根の種類で一番多い「スレート」。今回はスレート屋根の特徴やメンテナンス方法についてご紹介します。

屋根に合った正しいメンテナンスをすることでお家の美観性だけでなく、防水性も向上させることができます。お家を長持ちさせるためにもぜひ参考にしてください。

 

■スレートとは

一般的には、軽量で薄型の屋根材のことをスレート屋根と言いますが、本来「スレート(Slate)」とは粘板岩のことを意味しています。粘板岩は防水性・耐火性などに優れており、屋根材に適していています。

この粘板岩などの天然石を使用した屋根のことを「天然スレート」と言い、そして私たちがよく目にするスレート屋根は「化粧(人造)スレート」と言います。それではこの2つのスレート屋根の違いについて紹介します。

  • 天然スレート

「天然スレート」は天然石でできているため色褪せなどの経年劣化がなく塗装メンテナンスは不要です。

屋根材として魅力的な天然スレートですが、希少な天然素材を使用することや加工技術が必要となり施工費が高額になるため、日本では広く普及していません。

  • 化粧スレート

「化粧スレート」とはセメントに繊維素材を混ぜて板状に加工した人工の屋根材です。スレート屋根は平均厚さが約5センチ、重さは1枚当たり3.4㎏ほどです。自然素材に比べ安価で施工性に優れていることもあり、屋根材の国内シェアはナンバーワンです。

 

スレートの特徴

スレート(化粧スレート)はコロニアル・カラーベストと呼ばれることもありますが、これらの名称は各メーカーが販売している商品名です。それではスレートの特徴について紹介します。

  • メリット

スレート屋根のメリットはその軽さにあります。陶器瓦の半分ほどの重さのスレート屋根は耐震性や施工性に優れています。さらに屋根材の金額も陶器瓦に比べてリーズナブルで、1㎡あたり半額程度です。また、色のバリエーションも多く、和風・洋風、どちらのお家にも合うのもメリットの一つです。

  • デメリット

屋根材自体に防水性がないため定期的な塗装メンテナンスが必要です。陶器瓦など色を焼き付けている場合は塗装の必要はありませんが、スレート屋根は新築から10年~15年に一度の塗り替え工事が必要です。

スレートの劣化症状

スレートの主な劣化状況は大きく分けて4つあります。

  • スレートのズレや割れ

台風や大雪の影響によりスレートのずれや割れが生じることがあります。ずれや割れは長期間放置すると雨漏りの原因につながります。ほかにも屋根材が落下するケースもあるので、自然災害後など屋根の異変を感じたときは専門業者による点検をお勧めします。

スレート屋根 ズレ

  • 色褪せ

築年数10年前後から徐々に色褪せが見られます。紫外線の影響で起こる経年劣化のため、大きな心配はいりません。また色褪せだけが要因で雨漏りすることはありません。ただ長期間放置すると美観性を損ねるほか、屋根材を傷める原因になりますので塗装検討の目安として覚えておきましょう。

スレート屋根 色あせ

  • 塗膜の剥がれ

以前に塗装したことのある屋根にみられる劣化です。高圧洗浄不足や下塗り材の不足など下地処理に問題があったり、1回目の塗料と2回目に塗った塗料の相性が悪いなどの施工不良の場合もあります。ほかにも何度も塗り重ねることで塗膜がはがれやすくなることがあります。

スレート屋根 塗膜のはがれ

  • コケや藻の発生

表面の防水性が低下すると屋根材が常に湿気た状態になるためコケや藻が発生するようになります。常に湿気ているからと言って直接的な雨漏りの原因になることはほとんどありません。しかし美観性が損なわれることや屋根材自体の耐久性の低下につながります。

スレート屋根 コケ・藻の発生

スレートの修理と補修
  • ひび割れや欠損の補修

スレート屋根のひび割れや欠損は部分的な補修をすることができます。細かなひび割れであれば塗装工事の下塗り・上塗りで埋めることができますし、欠損した部材が残っていれば「タスマジック」などの屋根材専用の補修材で修繕できます。

さらにスレートの屋根は1枚単位で交換することもできますので屋根材の状況に応じて補修方法を選ぶことができます。

費用は塗装工事など足場がある状態での工事かどうかによって異なります。足場仮設工事を入れると30万円前後かかりますので塗装工事などと一緒にしたほうがお得です。

  • 棟板金の修繕

他にもスレート屋根の場合は棟板金の修繕が必要なケースもあります。棟とは屋根の面と面が重なり合う山の部分のことを言い、棟板金はその棟にかぶせてある板金のことを言います。

この板金は釘でしっかり固定されているのでめくれてしまうことはありません。しかし経年劣化により釘の固定が弱くなってしまった場合や台風や突風・竜巻などの大風の影響を受けてめくれてしまうことがあります。

屋根の修繕工事には足場工事が必要になり、工事費は30万円以上です。もし、台風や竜巻などの自然災害によるものであれば火災保険が適用になり、自己負担が少なくなります。お見積りを依頼した時に業者に確認してみましょう。

 

スレートの塗装

スレート屋根の工事のメンテナンス方法として一番多いのが塗装工事です。塗装工事は美観性を高めるだけでなく屋根材の防水性を高めることができます。新築から10年前後で検討するのがよいでしょう。

  •  塗装工程

塗装工事では高圧洗浄・下地処理・下塗り・上塗りの作業工程があります。

  • 高圧洗浄

屋根表面に水圧をかけて汚れや旧塗膜を洗い流していく作業です。家庭用の高圧洗浄機ではなくエンジン式の機械を使用します。作業時間は半日~1日です。

スレート屋根 高圧洗浄

  • 下地処理

屋根材のヒビや割れの補修を塗装前に行います。スレート屋根の下地処理の中で1番重要なのが縁切りです。縁切り作業とは屋根材と屋根材の隙間が塗料で埋まらないように人工的に隙間を作ることを言います。屋根材の間に隙間を作ることで水の逃げ道を作り、屋根の内部に水分がたまらないようにします。

タスペーサー

具体的な縁切り作業としては塗装前にタスペーサーという部材を差し込む場合と完成後にカッターなどで隙間を作る2通りがあります。縁切り作業は急こう配の屋根もしくは屋根材が反っている場合を除き、ほぼすべてのスレート屋根で行います。

  • 下塗り

下塗り材とは接着剤の役割のある塗料です。透明もしくは白い塗料を屋根全体に塗っていきます。メーカー推奨は1~2回塗りですが高圧洗浄後の屋根材は塗料を吸い込みやすいため状況に応じて2回以上塗装します。

スレート屋根 下塗り

  • 上塗り

選んだ色の塗料を塗装します。上塗りの2回塗りで完了です。 

スレート屋根 上塗り2回目

スレートの塗装費用

足場の組み立てから屋根塗装まで30坪のお家の場合、約30万円~60万円ほど費用がかかります。

屋根の形状・塗料のグレードによって塗る面積が異なりますので、お見積りは「坪数」表示ではなく「面積」による表示のほうが好ましいでしょう。

 

スレートのカバー工法と葺き替え

スレート屋根の中には塗装をしてもはがれてしまう、雨漏りがしているなどの理由から塗装ができないケースがあります。その場合は、既存の屋根の上に新たな屋根材を施工するカバー工事もしくは、今の屋根材を撤去して下地から新しく施工をする葺き替え工事をおこないます。

  • カバー工法の費用

ガルバリウム鋼板の屋根材を新たに施工する場合、工事費は足場を含めて90万円前後です。今の屋根材の状態によって施工できない場合がありますので専門業者にしっかり見てもらうようにしましょう。

  • 葺き替えの費用

葺き替えの場合、金額はお家の状況によって異なります。下地の状態や屋根材の種類、処分費など工事の内容は全く異なるため相場があってないようなものです。まずは専門業者に相談することをお勧めします。

  • 2004年以前のスレートはアスベストに注意

1960~2004年に製造されたスレートにはアスベスト(石綿)が使用されています。アスベストが含まれる屋根材であっても通常の生活の中で健康被害がでることはありません。

しかし注意したいのは葺き替え工事の時の解体や処分です。アスベストの取り扱いは指定業者が行い、費用は通常よりも高くなりますので業者選びや費用については検討しなければいけません。

ちなみに現在製造されているスレート屋根はアスベストの代わりに人口繊維や天然繊維などを使用した無石綿(ノンアスベスト)スレートです。

 

まとめ

今回は国内シェアナンバーワンのスレート屋根についてご紹介しました。スレート屋根にも「天然スレート」と「化粧スレート」の2種類があり、私たちがよく目にする屋根は「化粧スレート」です。

スレート屋根のメンテナンス方法としては塗装・カバー・葺き替えの3つの修繕方法があります。塗装工事の場合は「縁切り作業」がされているかをしっかり確認しましょう。

またカバー・葺き替えは今の屋根の劣化状況によって検討するのがよいでしょう。

 

 

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