外壁の一部分にだけ色あせや傷みが見られ、他の部分はまだ綺麗という場合、「全体を塗装するのはもったいない」「気になる部分の塗装だけで済ませたい」と考える方も多いでしょう。
結論から言えば、一部分だけ塗装することは可能ですが、全面塗装に比べるとデメリットが多いため例外を除いてはおすすめできません。
今回は、一部塗装のデメリットと一部塗装でも良いケース、全部塗装の費用を用意できない場合の解決策を解説していきます。
余計な出費を抑えつつ家を長持ちさせたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

一部塗装のデメリット

ちょっとした傷や色あせならその部分だけ塗装すればいいのではないかと、一部塗装を計画される方もいますが、実は様々なデメリットがあります。
具体的に、どのような問題点があるのかチェックしてみましょう。

• 色やツヤにムラが出る
  塗装は、経年劣化によって色やツヤが変化します。
  そのため、周囲と同じ塗料で一部分だけ塗装しても、前回塗ったところと新しく塗ったところでは、どうしても色やツヤに差が出てしまうものです。
  これは、どれだけベテランの職人が丁寧に作業したとしても起こってしまいます。
  築年数が長いほど、旧塗装面と新塗装面で色やツヤの差がはっきり出て、不自然な仕上がりになりやすいです。

• 全体の劣化は防げない
  
  塗装が経年劣化してくると、色あせだけでなく防水機能も低下してきます。
  一部分だけ塗装しても他の部分の防水機能は回復しないため、家全体の劣化を防ぐことはできません。
  塗装しなかった部分は劣化が進み、そのまま放置しておけば、ひび割れなどが起きる危険もあります。
  家の寿命を伸ばすためにも、全面塗装で全体の防水機能を保つことが重要です。

• トータルコストが高くなる
  
  一戸建ての平均的な坪数である40坪の住宅で見た時に、外壁全面を塗り替えた場合の相場は、90万～120万円程度です。
  対して、1面だけを塗り替えた場合は30万～40万円程度になります。
  一度の塗装であれば、もちろん1面だけ塗り替えた方が安く済みますが、回数を重ねることを考えると割高です。
  割高になる主な原因は、足場代と職人の人件費にあります。
  一部または1面だけの外壁塗装でも職人の安全を確保するため、作業効率を上げるため、近隣への飛散を防止するため、などの目的から塗装面だけでなくその周囲の面にも足場を組みます。
  外壁全体の塗装に比べて余分な足場の設置が必要となり、足場代が余計にかかるのです。
  また、職人の人件費は工期によって変わりますが、1面だけの外壁塗装も全体の外壁塗装も工期にそれほど違いはありません。
  塗装費用を抑えたいとの理由だけで一部だけの外壁塗装を選択すると、かえって割高になってしまいます。

無駄なく長持ちさせたいなら全面塗装！

上記で説明したとおり、無駄なく家を長持ちさせるためには一部塗装よりも全面塗装の方がおすすめです。
一部塗装では一度の塗装工事にかかる費用は少なくても見た目や防水性に劣る上、トータルコストは割高です。
また、「この壁は塗り替えてから2～3年だが、こっちの壁は10年ほど経ったからそろそろ塗り替えよう」というように、部分ごとにメンテナンス時期を把握しておくのは大変です。
家のメンテナンスは外壁塗装だけではないので、気になった時に気になったところだけ工事をしていると、余計な手間と時間がかかってしまいます。
全体塗装であれば、決まった年数ごとに全体をまとめてチェックすれば良いのでメンテナンス計画も立てやすく、見落としも防げるので結果的に家を長持ちさせることにつながります。

例外的に一部塗装でも良いケース

無駄なく家を長持ちさせるためには、一部塗装よりも全面塗装の方がおすすめです。
しかし、以下のケースに当てはまる場合は、例外として一部塗装を選択しても問題ありません。

• 一部分だけ激しく劣化している
  
  築年数が2～7年、または前回の塗装から2～7年にもかかわらず、一部分だけ雨漏りやひび割れといった激しい劣化が見られる場合は、速やかに塗装工事を行ってください。
  特に、雨漏りを放置していると基礎が腐食し、塗装だけでは済まずに外壁自体の張り替えなど、後々大掛かりな工事に発展してしまいます。
  ひび割れもそのままにしておくと雨漏りにつながるので、早めに塗装工事および補修工事をしましょう。

• 増改築している
  
  家を増改築したばかりで、一部だけ新しい壁、他は古い壁という場合は、古い壁の部分だけ塗装を行っても構いません。
  ただし、次回塗り替える時はトータルコストの面でも色ムラ防止の面でも、同時期に全面塗装をするのがベストです。
  増築した部分も5年以上経過している場合は、まとめて全面塗装するのが適しています。

• 前回塗装できなかった部分がある
  前回の工事で物理的に塗装できなかった部分がある場合も、未塗装部分の塗装工事だけで良いでしょう。
  例えば、給湯器やエアコンの配管カバーなどは、壁に直接くっついていることから塗装できず、交換のために取り外した時、初めて露出することがあります。
  露出した未塗装部分を放っておくと劣化につながります。
  給湯器の裏などの場合は足場を組まなくても届くことが多く、費用もさほどかからないため、部分塗装を施しましょう。

• 近いうちに外壁を張り替える予定
  数年後に外壁の張り替え工事を予定している場合は、全体塗装よりも劣化が激しい部分のみ、塗装工事を行った方が経済的です。
  近いうちに外壁自体を張り替えるのであれば、メンテナンスとして一部分のみの補修でも問題ありません。

全面塗装の費用が用意できない場合の解決策

ここまで無駄なく家を長持ちさせるには、全面塗装にすべきことをお伝えしてきました。
とはいえ、全面塗装をするためにはある程度のまとまったお金が必要になります。
そこで、全面塗装の費用が用意できない場合の解決策をご紹介します。

関連記事：外壁・屋根塗装の料金を安く抑える方法

• ローンを組む
  
  一度に大きな出費をするのが難しい場合は、銀行や金融機関でローンを組むことで月々数万円の支払いで塗装工事が可能になります。
  ローンには金利がありますが、一部塗装を短期間で繰り返すよりはお得です。
  ただし、ローンの借り入れには、事前に審査が必要だったり、住宅ローンの支払いが残っていると毎月の支払額が増えたりすることがあります。
  銀行や住宅ローンの借入先と相談し、無理のない返済計画を組むことが大切です。

• 補助金や助成金を利用する
  
  自治体によっては、環境への配慮として省エネ住宅や省エネリフォームを推奨しており、特定の条件を満たすことで補助金や助成金を利用できるところもあります。
  補助金や助成金を利用する際は、申請書類の記入と必要書類の提出が必要ですが、申請が通ると10万～20万円程度を受け取ることも可能です。
  条件や受け取れる金額は自治体ごとに異なり、制度自体を設けていないこともあるので、まずは自分が住んでいる自治体の制度がどのようになっているか確認してみてください。

関連記事：外壁・屋根塗装で補助金（助成金）を受けるときの条件と注意点

• 地域の専門業者に依頼する　
  
  全面塗装工事の費用をできるだけ抑えたい方は、自分が住む地域の専門業者から見積もりを取ってみましょう。
  専門業者であれば、中間マージンがなく人件費も抑えられるため、ハウスメーカーや工務店に比べて、費用を抑えられる可能性があります。
  また、地域密着型の業者なら、コミュニケーションも取りやすく融通が利くことも多いです。
  近くの専門業者、数社から見積もりを取って比較してみるのもおすすめです。

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  関連記事：補助金実績多数！さいたま市・川越市の外壁塗装補助金はミヤケンまで！

• 火災保険を活用する
  
  塗装工事の際に、台風や大雪などの自然災害で被害が出た箇所も一緒に直す場合は、火災保険を活用することが可能です。
  例えば「台風で屋根がめくれた」「大雪で雨樋が歪んだ」など、災害で不具合が出た場合、発生から3年以内に申請すると保険料が支払われます。
  支払い額や支払いの可否は、加入している保険や災害の発生状況によって変わるため、事前に契約内容の確認が必要です。
  ミヤケンでは自然災害で被害の出た部分の調査や修繕見積り、火災保険申請、保険金支給後の工事までワンストップで対応しています！
  

一部塗装は長い目で見ると損するリスクが高いです。

外壁の一部分だけが気になるのに、全面塗装はもったいないという方もいますが、気になった時に気になった箇所だけ塗装するというやり方は、長い目で見ると損するリスクが高いです。
その都度足場を組むのにお金がかかりますし、どんなに腕の良い職人でも色ムラは防げません。
メンテナンス計画も立てにくく、どこをいつ塗ったのか覚えていないと、不具合を見落としてしまう恐れもあります。
そのため、例外を除いては全面塗装がおすすめです。
全面塗装の費用が心配な場合は、ローンを組む、補助金や助成金を利用する、地域の専門業者に頼む、火災保険を活用するといった方法を検討してみましょう。

ミヤケンではローンや補助金、火災保険を使用した工事の実績も多数ございます。

現場調査・お見積もりは全て無料で行っておりますのでお気軽にご相談ください。

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