トタン屋根はどんな屋根？気になるメンテナンス費用や方法も紹介
昔から使用されているトタン屋根は、日本国内でも広く普及しています。
1980年代にはアパートや倉庫の屋根材に多く用いられ、施工期間の短さや価格などから取り入れられていました。
そんなトタン屋根は現在見かける機会が少なくなったため、どのような屋根か知らない方もいるでしょう。
ここでは、トタン屋根の特徴やメンテナンスについて詳しく解説していきます。
トタン屋根について知りたい方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
トタン屋根とは？特徴と歴史を解説
トタン屋根は、かつて日本の屋根材として主流の素材でした。
住宅以外にも工場や倉庫の屋根材として用いられていて、薄い鋼板に亜鉛メッキを施しています。
亜鉛鉄板などと呼ばれることもありますが、広く浸透している名称はトタンです。
トタンの言語は、ポルトガル語で亜鉛を表す言い方が由来とされていて、1906年に日本の官営八幡製鉄所が製造したのが始まりとなります。
1923年の関東大震災で、被災した地域の復興資材に使われたことをきっかけに普及していきました。
重ねるように葺いているため、継ぎ目が目立たなくて雨漏りしにくいのが特徴です。
また、薄さと軽さ、施工の手間や時間がかからないことも普及した要因と言えるでしょう。
トタン屋根は他の金属屋根とどこが違う？
トタン屋根は、他の金属屋根と比較した時、どのような点が違うのでしょうか？
トタン屋根の後に普及したガルバリウム鋼板の特徴と比較してみましょう。
【トタン屋根】
・素材：鋼板に亜鉛が塗ってある
・重さ：約5kg/㎡
・耐用年数：10～20年
・性能：鋼板に亜鉛が塗ってあり、傷の周辺に流出して鋼板を保護してくれるが亜鉛の消耗が大きくなる
【ガルバリウム鋼板】
・素材：鋼板にメッキ（亜鉛、アルミ、ケイ素を含んだもの）が塗ってある
・重さ：約10.9kg/㎡
・耐用年数：20～30年
・性能：傷がついた場合、アルミが傷の周辺に流出して保護してくれるため、亜鉛が消耗しにくい自己修復作用がある
元は同じ鋼板でも、トタン屋根とガルバリウム鋼板ではいくつもの違いがあることがわかります。
トタン屋根の特徴
トタン屋根には、他にもどのような特徴があるのでしょうか？
注目したい内容は以下のとおりです。
- カビやコケが生えにくい
トタン屋根は、カビやコケなどの生えにくさがあり、きれいな屋根の状態を保てるのも特徴です。
屋根の表面に付いたカビやコケなどの汚れや胞子は、勾配があれば雨の流れと一緒に流されていきます。
胞子が屋根に根付くこともないので、劣化しにくさもあります。
しかし、周辺に木が多く生えていたり、土やホコリが溜まりやすい環境だったりすると、屋根に残りやすくカビやコケが生えやすくなるのです。
劣化の原因となるので、見つけた時には高圧洗浄機などを使って流すようにしましょう。
- 耐久性が高くて軽量
軽量なトタン屋根ですが、実は耐久性の高さにも優れています。
重さだけを比較した場合、軽量とされるスレート屋根の約1/4、瓦屋根の約1/10になります。
屋根が軽い分だけ建物の重心が下に下がるため、地震の際にも建物に負担がかかりにくく、揺れも軽減されます。
瓦屋根ではないので、地震で上から屋根材が落ちる心配もなく安心できるでしょう。
- 防水性が高い
トタン屋根を含めた金属屋根の大きな特徴は防水性の高さです。
金属屋根は、継ぎ目が他の屋根材に比べて少なくなっています。
継ぎ目が少ないので雨などが浸入しにくく、表面が滑らかなので雪が降る地方でも屋根に残りにくいです。
そのため、積雪の多い地域ではトタン屋根が多く用いられていました。
勾配が少ない屋根は雨などの水分が排出されにくく、そのまま下地に染み込んで雨漏りすることもあります。
しかし、トタン屋根ならこのような心配が少ないので平らな屋根でも使いやすいです。
トタン屋根のメンテナンスのタイミングと方法は？
軽くて価格が安いトタン屋根は、比較的多くの住宅で用いられやすい屋根材です。
そんなトタン屋根でも、定期的なメンテナンスを怠ってしまえば劣化が進んでしまいます。
トタン屋根は、どれくらいの期間でメンテナンスが必要となるのでしょうか？
- 5～10年がタイミング
トタン屋根の耐用年数は約10～20年とされていますが、屋根のパーツによっては短くなる可能性もあります。
少しでもトタン屋根そのものを長持ちさせたい場合は、定期的なメンテナンスが欠かせません。
初期費用は安価ですが、定期的なメンテナンスは5～10年を目安に行っていきましょう。
- メンテナンスは定期的な塗装
トタン屋根のメンテナンスは塗装することです。
トタン屋根の塗装がはがれた状態だと、そこからさびが広がっていき、屋根材が劣化してしまいます。
色ムラや穴が開いている、はげた部分がある場合も同じです。
これらの症状を見つけたら、できるだけ早く塗装をしましょう。
台風が過ぎた後に屋根が傷つくケースが多いので注意してください。
- 正しい手順が長持ちの秘訣
トタン屋根の塗装は、正しい手順で行うことが重要です。
一部分だけさびているだけだから問題ない、さびがないからさび止め不要というわけではありません。
予防することが寿命を延ばすポイントなので、出ていなくてもさび止めを塗りましょう。
本来なら出る前に汚れやさび落としを行い、きれいに取り除きます。
その後、さび止め、塗料の順で重ね塗りすると皮膜が厚くなっていくので、より雨などの侵入を防げます。
この皮膜は日光や雨、風などで傷ついてしまうと劣化してしまうので、正しい手順で工程を重ねることが長持ちにつながるでしょう。＼「メンテナンス時期がいつだかわからない。」とご不安な方はお気軽にご相談ください！／
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トタン屋根はリフォームにいくらかかる？
トタン屋根に定期的なメンテナンスが必要ですが、ここで気になってくるのがリフォームに必要な費用です。
トタン屋根のリフォームにはいくつかの方法があり、それぞれの価格も異なります。
以下を参考にしてリフォーム方法や価格を比較してみましょう。
- 塗装
軽いさび、色あせ、傷などであれば、塗装で対応できます。
下地処理から丁寧に行えば、よりトタン屋根の寿命が延びます。
全体的なリフォームとなると、使用する塗料や広さによって価格が変わってきます。
一般的な住宅であれば40万円～が目安です。
- 部分的な修繕
トタン屋根の一部がさびたり、中まで穴が開いたりした場合は、部分的な修繕が可能です。
修繕が必要な部分だけ部分的な張り替えで対応できます。
一部分の傷、さびであれば塗装から修繕可能で価格も10万円程度です。
- カバー工法
現在のトタン屋根の上に防水材を敷き、新たに金属の屋根材を重ねるのがカバー工法です。
防水材には遮音性、遮熱性を持つ素材もあり、より生活空間を快適にできるのがメリットです。
居住性向上を目的としたリフォームとしても選ばれています。
新たな防水材の使用や設置、カバーするための屋根が必要なので、約100万円以上の費用がかかります。
- 葺き替え
今までのトタン屋根をはがして、新しい屋根に交換する方法です。
屋根のイメージを変えたい、他の屋根材を使用したい場合に選ばれるリフォームとなります。
建物の構造、設計などで選べる屋根材が異なりますが、トタンと同様の軽量素材であれば大きな問題もないでしょう。
この場合、新しい屋根材と今までのトタン屋根の処分費用がかかります。
新しい屋根材の価格や住宅の広さにもよりますが、撤去費用なども加えると200万円以上かかる場合もあります。
トタン屋根はさびやすく、メンテナンスを怠ると莫大な修理費がかかることも。
広く日本で使用されているトタン屋根は、軽量で安価なことが普及のきっかけです。
現在も使用している住宅があり、安価で使いやすく、耐久性もあるのが特徴です。
しかし、トタン屋根はさびてしまうと一気に腐食が進むので定期的なメンテナンスで屋根材が傷まないように気を付けましょう。
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