外壁塗装工事後の塗膜が劣化する原因とは
外壁塗装は、塗り替えからある程度年数が経つと塗膜の耐久が切れ、ひび割れ・塗膜のはがれ・色あせ・チョーキング現象・サビ・コケや藻(も)の繫殖など様々な劣化症状が次第に現れます。
しかし、塗装工事から約1年~3年で塗膜が劣化した場合は、業者の施工不良が原因かもしれません。
そこで今回のは、外壁の塗膜が劣化する原因を項目ごとに詳しく解説していきます。
■塗料の耐久切れ
塗料の種類によって耐久年数があります。
ウレタン・シリコン・ラジカル・フッ素・無機塗料の順にグレードが高くなっており、グレードが高い塗料ほど耐久年数が長くなるのが特徴です。
それぞれの塗料の耐久年数の目安は以下の通りです。
- ウレタン塗料:8~10年
- シリコン塗料:10~15年
- ラジカル塗料:15年前後
- フッ素塗料:16~23年
- 無機塗料:20~25年
前述のとおり、塗料のグレードによってその耐久性は異なります。耐久年数を過ぎた塗膜は、外壁表面の防水性が落ちて様々な劣化症状が現れます。塗膜の耐久年数が経過する頃には、一度施工した塗装業者に点検やメンテナンスの依頼しましょう。
■温度変化による収縮と膨張による
外壁は、常に雨風や紫外線の影響を受けています。
日が当たりやすい南側は色あせ、北側は雨が外壁よりも劣化するスピードが早いです。
塗膜の耐用年数が過ぎると、塗膜の剥がれやひび割れの症状が見られるようになります。
これは塗膜の機能性が失われたことで、温度変化による収縮や膨張に耐えられなくなって起こる症状です。
収縮と膨張が繰り返されることで塗膜が耐えられなくなり、ひび割れや塗膜の剥がれにつながります。
■経年劣化による塗膜の劣化
経年劣化によって発生する色あせ・チョーキング現象・サビ・コケや藻(も)について、劣化症状の原因を解説していきます。
- 色あせ
最初の初期症状として見られるのが、外壁の色褪せです。
新築時よりも外壁の色が薄くなってしまうのは、紫外線によって外壁の塗料が劣化し始めているからです。
色褪せ症状があるだけでは、見た目にしか問題がありません。
しかし、この症状を放っておくとチョーキング現象の原因になります。
初期症状の1つとして覚えておくと良いでしょう。
▼YouTubeにて色あせしにくい色をご紹介しておりますので、ぜひご覧ください▼
- チョーキング現象
塗膜表面が劣化し始める初期症状には、塗料の顔料がチョークの粉のように白くなるチョーキング現象という症状があります。
手で外壁に触れると白い粉のようなものが付着するので、発見しやすい初期症状です。
この現象は、紫外線によって塗料の顔料が劣化したことが原因で発生します。
そのため、チョーキング現象を発見したら、塗膜の機能性が失われているということになるので、早めの点検・メンテナンスが必要です。
チョーキング現象をそのまま放置してしまうと、外壁が更に劣化してしまうので、注意しましょう。 - サビ
外壁材が金属サイディングの場合に稀に発生する症状が錆です。
昔は多くの家でトタンが使用されていましたが、経年劣化で錆が発生しやすいことから今ではトタンの家は少なくなりました。
錆びにくい外壁として現在使用されているのが、ガルバリウム鋼板です。
金属サイディングでは、白錆や赤錆が劣化症状として発生します。
また、もらい錆によっても錆びてしまうことがあります。
そのまま外壁の錆を放っておくと、錆が進行したり広がったり落ちなくなってしまうので、早めに錆を研磨してもらわなければいけません。
また、症状がひどい場合には外壁に穴があいて雨漏りや建物の寿命を縮める原因となってしまいます。
外壁の全体に錆が広がったり穴があいてしまったりした時には、早急に塗装業者に点検・メンテナンスを依頼してください。 - コケや藻(も)・カビ
外壁には、カビ・コケ・藻が付着することがあります。
この症状は、日が当たりにくい北側の外壁や湿気が多い外壁に発生しやすいです。カビ・コケ・藻が外壁に付着したままだと外壁の防水機能が発揮されず、さらにカビやコケが繁殖する原因となってしまいます。そのまま放置してしまうと、外壁内部に根を張って高圧洗浄をしても落ちなくなってしまう可能性があります。そうならないためには、カビ・コケ・藻が外壁に付着しているのを見つけたら早めに洗浄をすることが大切です。
カビ・コケ・藻に強い専用の洗剤を使って洗浄することで、カビやコケを落とすことができます。
外壁材によっては高圧洗浄機が使えない場合もあるため、ホースを使って洗浄をすることを推奨します。
心配な方は塗装業者にカビやコケの洗浄をしてもらうのも1つの手でしょう。
■業者の施工不良
外壁の塗膜の剥がれや膨張は、耐用年数が切れたことが原因で発生します。
しかし、業者の施工不良によってもこのような症状が発生することもありまsが、どのような施工をしてしまうと、施工不良に陥ってしまうのでしょうか?
施工不良の原因を解説していきます。
- 塗料カタログの仕様通りに施工しない場合
塗料は、種類によって適した下地や塗り方が決まっています。そのため、塗料カタログに記載されている仕様通りに塗装工事をしなければなりません。
塗料に合わない下地を使ったり、乾燥時間を守らなかったり、2度塗りや3度塗りの回数を守らずに施工したりすると、後から不具合が生じる恐れがあります。
塗装工事をした後は特に不具合が発生しなくても、1~2年後には塗膜の膨張や剥がれが見られるのが施工不良の特徴です。
仕様書を守って丁寧な工事をしてくれる業者に工事を依頼することで、こうした施工不良を防ぐことができるでしょう。 - 外壁材に合わない塗料を塗った場合
外壁材によっては、決まった塗料しか使えない外壁材もあります。
違う塗料で塗装をしてしまうと、外壁にきちんと密着しなかったり、塗ってもすぐに剥がれたりと施工不良の原因につながってしまいます。
外壁材のカタログに適切なメンテナンス方法が記載されているため、そのメンテナンス方法を守って塗装工事をしてくれる優良業者に工事を依頼しましょう。 - 塗装工事をした日の天気や天候の条件が悪かった場合
塗装工事では、天気や天候の条件に合う日に塗装工事をしなければなりません。
湿度が高い日や気温が低い日などに塗装をすると、ピンホール(気泡)が発生したりムラができたりしてしまう可能性が非常に高くなってしまうからです。
こうした事態を防ぐためには、きちんと天気や天候を見て塗装工事を行ってくれる業者に塗装工事を依頼することが大切になります。
きちんと天候をチェックして作業してくれる地元の信頼できる業者に工事を依頼してみてください。
そうすることで、天候の条件による施工不良を未然に防ぐことができるでしょう。
■劣化の原因を理解してお家を長持ちさせましょう
外壁の劣化症状には、色あせ・ひび割れ・カビやコケの繁殖などの様々な症状があります。
こうした症状は、塗膜の耐用年数が切れたことが原因で発生するため、耐用年数を目安に外壁の点検とメンテナンスをしてもらうことが大切です。
耐用年数はまだ先なのに、塗装工事後すぐに塗膜が劣化してしまった場合には施工不良が考えられます。
施工不良が考えられる場合には、保証書や契約書を用意して業者に連絡を取りましょう。保証の範囲であれば、業者に無償で直してもらえるかもしれません。
外壁の劣化症状で悩んでいる方は、どのような劣化原因が考えられるのか確認してみてください。
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