お家の外観の大部分を占める外壁は、雨風や紫外線から守る大切な役割を持っています。
しかし、常にダメージを受け続けているため劣化しやすい部分でもあるのです。
外壁部分が綺麗に見えても、つなぎ目である「目地（めじ）」が劣化していれば、その部分から雨水が内部へと浸入し、基礎部分が腐食してしまうリスクもあります。
そこで今回は、外壁の目地とは何か、劣化を放置するとどうなるのか、補修の相場費用などをご紹介します。
新築から年数が経っている、外壁の劣化が気になる方はぜひ参考にしてみてくださいね。

 

外壁の目地とは

まずは外壁の目地とは何か、目的などをご紹介します。

• 目地の特徴
  
  目地とは、レンガやコンクリート製のブロックを積んだり、タイルや化粧版などを貼り付けたりする際のつなぎ目のことです。
  つまり、外壁目地とは外壁材との接合部分やつなぎ目を指します。
  シーリング材もしくはコーキング材と呼ばれる柔軟性の高い素材を用いて埋められているのが一般的です。

• 目地の目的とは？
  
  外壁材を隙間なく埋めずに目地を作る目的として、変形部分の調整があります。
  外壁の素材によっては温度や湿度で膨張したり、経年劣化が原因で歪みが生じたりします。
  もし1枚の大きなコンクリート板で外壁を作った場合、変形によって建物全体が歪んでしまう危険性がありますが、目地があれば変形にも柔軟に対応することが可能です。
  また、外壁で一般的に使用されるALCパネルや窯業系サイディングはセメントが主原料となっているため、外壁が破損しやすい傾向にあります。
  そのため、施工時には外壁パネル同士の間に隙間を作り、余計な負荷がかからないようにして耐久性や防水性を維持しています。

 

• 目地のない外壁はある？
  目地は、すべての家に存在するわけではありません。
  目地のある外壁はALCパネル・窯業系サイディング・タイル・金属サイディングなどで、モルタルや漆喰の外壁には存在していません。
  ですが、窓回りにはコーキングはありますので、目地の無い外壁でもコーキング工事は必要になってくるので注意が必要です。

劣化する原因とは？劣化が起きるとどうなる？

目地で用いられるシーリング材は、新築から3～5年で劣化が発生します。
主な劣化の原因は外気の温度差や湿度変化が原因で発生する膨張や縮小、地震による揺れ、太陽光などだと言われています。
では、目地の劣化が起きるとどのような問題が発生するのかを見ていきましょう。

• 雨水が浸入しやすくなる
  
  目地の劣化が発生すると、その隙間から雨水が浸入するリスクが高くなりやすいです。
  外壁材の下地部分には防水シートを施し、目地部分には防水効果をアップさせる「目地ジョイナー」が入っているなど、厳重な防水対策を行っています。
  ミヤケンではシーリングプライマーと呼ばれる、目地とコーキング材を接着する役割を持つ塗料を塗布しています。
  このプライマーは建材とシーリング材の付着性を確保することで、シーリング材の剥離（はくり）を防ぐことを目的とする下塗材のことです。
  付着性の向上だけではなく、建材からの浸出物が目地への移動を防ぐ役割や、シーリング材から下地へ可塑剤（かそざい）などが移動するのを防ぐ役割を持ちます。
  しかし、シーリング材の劣化により機能性は段々と失われ、防水シートの劣化が進んでいきます。
  外壁内部に雨水が入っていき、最終的には壁板や石膏ボード、土台が腐食して白アリが発生しやすい環境となってしまいます。

 

• 外壁にひび割れやはがれが発生しやすくなる
  
  シーリング材の劣化により外壁に水分が浸入し、寒い時期になると傷んだ部分に結露が発生し、その水分が凍結膨張を起こします。
  そして気温が上がると凍結部分が解け、また水分が発生します。
  このように水分の乾燥や発生・浸入などを繰り返すとそこからはがれが起きやすくなり、建物の耐久性が劣化してしまうのです。
  また、外壁パネル同士の緩衝材の役割も失われ、地震などにより大きな揺れが起きた際にはパネルがぶつかり合ってしまい、ひびが入る場合もあります。

 

目地補修の費用相場はどのくらい？DIYも可能？

目地補修をするには、業者へ依頼する方法と自分で行う方法の2つがあります。
それぞれどのくらいの費用がかかるのか、相場をご紹介します。

• 業者へ依頼する場合
  
  目地補修は打ち替えと増し打ちの2つの方法があります。
  打ち替えとは既存のコーキングを撤去した後に新しく打ち直す方法、そして増し打ちとは既存の上から重ねて打つ方法です。
  金額的には、コーキングを撤去する手間がかかる打ち替えの方が費用は高くなる傾向にあります。
  コーキング材の種類によって費用相場は変わります。
  ・耐候性に優れた変形シリコン系のコーキング材：700～900円/m（撤去費を含む）
  ・弾力性を持つウレタン系のコーキング材：500～600円/m（撤去費を含む）
  また、足場を組む必要があればプラスで15万～20万円ほどかかります。
  施工範囲や工法などによって大きく前後しますが、大体30万～50万ほど掛かると想定しておきましょう。　

 

• 自分で行う場合
  
  DIYで目地補修をする場合には、コーキング材・コーキングガン・マスキングテープ・ヘラなどが必要です。
  コーキング材1本で約3m分の目地を打てるため、補修する目地の長さが180ｍと仮定すると約60本消費します。
  1本500～2,000円ほどなので、
  ・500円×60本＝30,000円
  ・1,000円×60本＝60,000円
  かかる計算になります。
  その他の備品も合わせると、DIYの場合は5万～7万円ほどの費用がかかるでしょう。
  業者へ依頼するよりも費用を節約できるのは事実ですが、施工に慣れていないと見栄えが悪く、作業中にハシゴから落下するリスクも懸念されます。
  綺麗かつ機能性の高い仕上がりにするためには、コストがかかっても業者へ依頼するのがおすすめです。

 

目地補修工事の流れ

コーキングを補修する場合は増し打ち工法と打ち換え工法という工法があり、それぞれ内容も異なります。
ここでは、増し打ち工法を使った目地補修工事の流れをご紹介しましょう。

増し打ち工法

 

1. 既存のコーキングを撤去
   
   まずはカッターを用いてコーキング材の両端に切り込みを入れ、ラジオペンチなどで古いコーキング材をはがすように引き抜いていきます。
   うまく取り除けずに目地部分に残ってしまう場合もありますが、それではコーキング材と密着せずに隙間が発生してしまうため、再度カッターを用いて徹底的に除去します。
2. マスキングテープで養生
   コーキング材が目地の外側にはみ出さないよう、両側にマスキングテープを貼り付けていきます。
3. プライマーの塗布
   
   目地に直接コーキング材を打ってもすぐにはがれてしまうため、まずは目地とコーキング材を密着させる役割を持つ塗料「プライマー」を塗布します。
   接着剤のような働きを持ち、下地やコーキングの素材に合わせて最適なプライマーを選定します。
4. コーキング材を注入
   
   いよいよコーキング材の注入です。
   まずはたっぷりと注入していき、その後に目地に充満させるように上からコーキング材を押し込んでいきます。
   厚みがあるほど耐久性能もアップするため、できる限りたくさんの量を注入します。
5. ヘラを使ってコーキング材を押し込む
   
   隅から隅までコーキング材が充満するように、バッカーと言われる道具で目地を押し込み、均一にならしていきます。
   その後、マスキングテープをはがせば施工完了です。

 

目地はお家にとって重要な役割を持っています

今回は、外壁の目地について詳しくご紹介しました。
目地はそこまで注目されることのない部分ですが雨水の浸入を防いだり、建物の歪みを予防して外壁のはがれやひび割れを発生しにくくしたりするなど、重要な役割を持っています。
しかし、2階以上にある目地の状態を確認するのは難しいため、目の届く範囲にある目地に劣化や破損がないかを確認してみましょう。
DIYで補修する方法もありますが、慣れていないとまたすぐに劣化してしまうので、高い機能性を保つためには業者への依頼がおすすめ
です。

お家の目地の状態や補修が必要かどうかわからない！という方はミヤケンにご相談ください！
現場調査・お見積もりは全て無料で行っておりますのでお気軽にご相談ください。

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