外壁塗装の仕上げには、ツヤありとツヤ消しがあります。
どちらを選ぶかによって、建物の見た目が変わってくるため重要な選択だと言えますが、どちらを選んだらいいのか決められないという人も少なくありません。
そこで今回は、外壁塗装における「ツヤ」とは何か、ツヤの種類と特徴、ツヤありとツヤ消し塗料のメリット・デメリットもついて解説していきます。
外壁塗装をご検討の方や、仕上がりについて迷っているかたは是非最後までご覧ください。

■外壁塗装における「ツヤ」とは？

外壁塗装におけるツヤは、実は明確な基準や定義が存在していません。
業界では定義を定めようとしたこともあるようですが、職人の間に浸透しなかったため、明確な基準はないのです。
ツヤのはっきりとした定義はないものの、ツヤありとツヤ消しがどのような状態を指すのかという目安はあります。
外壁のツヤがあるかを決める指標は、60度の角度から100％の光を当てた時にどの程度反対側に届くか、というものです。
光の反射がどのくらい強いか示す数値は、グロス値や光沢度と呼ばれています。

■ツヤの種類と特徴

外壁のツヤは、ツヤあり・7分ツヤ・5分ツヤ・3分ツヤ・ツヤ消しの5種類に分けられます。
続いては、それぞれの特徴や耐久性などについて解説していきます。

• ツヤあり
  
  グロス値が70％以上です。
  塗装後は非常に艶やかなので、煌びやかな仕上がりにしたい場合におすすめです。
• 7分ツヤ
  グロス値が60％前後です。
  曇っている日などはそこまでツヤがないように見えるので、煌びやかさと落ち着き感を両立させたい場合に適しています。
  ※弊社では取り扱っておりません。
• 5分ツヤ
  グロス値が35％前後です。
  半ツヤと呼ばれる場合もあります。
  ツヤありとツヤ消しの中間に位置するツヤ感なので、迷った時は5分ツヤを選ぶのが無難です。
  ※弊社では取り扱っておりません。
• 3分ツヤ
  
  グロス値が15％前後です。
  少しだけツヤがあり、天候が良い日はそれを目視できます。
  見る確度によるため、そこまでツヤが欲しくないけれどマットすぎるのも避けたい場合におすすめです。
• ツヤ消し
  
  グロス値が5％以下です。全くツヤがありません。
  マット仕上げやフラット仕上げと呼ばれるケースもあります。

• ツヤごとに異なる耐久性
  耐久性は、ツヤ消しよりもツヤありの方が高くなっています。
  ツヤありは表面が滑らかなので汚れが溜まりにくいからです。
  汚れが付着していると湿気などの水分も常にくっついている状態となります。
  そのままだと、塗膜が劣化しやすくなってしまうのです。
  また、ツヤ消しに使うフラットベースと呼ばれる添加物を使うことも耐久性を下げる原因になります。
  純粋な塗料であれば元々持っている耐久性を発揮できますが、他の薬剤を混ぜることで弱まってしまうのです。
  耐久性を何夜も重視したいなら、ツヤなしよりもツヤありを選んだ方が良いでしょう。
• 塗料は元々どのような特性を持っているか確認しておこう
  塗料は、元々ツヤ消しとなっているものもあります。
  そのような場合は、添加剤を加えているわけではないため、性能が落ちてしまうことがありません。
  大手の塗料メーカーであればホームページでツヤありまたはツヤ消しを確認できるので、候補となる塗料が決まったらチェックしてみましょう。

■ツヤありとツヤ消しのメリット・デメリット

ツヤありとツヤ消しで迷っているなら、それぞれのメリットとデメリットを確認し、どちらが自分の理想に近いか考えてみましょう。
では最後に、ツヤありとツヤ消し塗料のメリット・デメリットをご紹介します。

【ツヤありのメリット・デメリット】

• メリット
  ツヤありのメリットには、外壁に汚れが付きにくい、立体感のある仕上がりになる、塗料本来の性能を発揮できる、といった点が挙げられます。
  ツヤありだと表面がツルツルしており、水捌けも良いので汚れが付きにくいです。
  また、カビやコケも発生しにくいため、美観を保ちたいと考えている場合にも最適です。
  光沢があるのでサイディングなどの凸凹を強調でき、立体感にある仕上がりになります。
  ツヤありだと添加材が入っていないことから、塗料が持つ本来の性能を発揮できることも大きなメリットです。
  塗料本来の色も出やすく、想像していた色味に仕上げたい場合にもツヤありは適しています。
• デメリット
  デメリットには、施工してから年数が経過するとツヤがなくなってしまう、安っぽい仕上がりになってしまう、派手に見えてしまう、といった点が挙げられます。
  外壁のツヤは、施工してから2～3年ほどで少しずつ消えていってしまうものです。
  外壁塗装は10～15年というスパンで行うのが一般的なので、塗り替え時期を迎える前にツヤが消えてしまうことは覚悟しておきましょう。
  ツヤがある外壁は色によりますが、安っぽい仕上がりに見えてしまう可能性もあります。
  外壁の色とツヤの相性を確認し、適度なグロス値を選択することがポイントです。
  塗装する色が控えめな場合は問題ありませんが、目立つ色の場合はツヤありにすると派手な印象になりやすいです。
  場合によっては「思っていたより派手になってしまった」と感じる可能性もあるでしょう。
  後悔しないためにも、色によってグロス値を下げることも視野に入れておきましょう。

【ツヤ消しのメリット・デメリット】

• メリット

  ツヤ消しのメリットには、高級感があって落ち着いた仕上がりになる、和風の住宅に似合う、ツヤの変化が気にならない、といった点が挙げられます。
  マットな質感に仕上がるツヤ消しは、高級感のある外観にしたい場合に採用されるケースが多いです。
  落ち着いた雰囲気になるので、周りの景観とも調和しやすいこともメリットの1つです。
  和風の住宅に合う点も、ツヤありにはないメリットだと言えます。
  和風に仕上げたい場合も、その要望を塗装会社に伝えるとツヤ消しの施工をおすすめされる可能性が高いです。
  また、施工から年数が経過してもツヤに変化が出ません。
  段々とツヤがなくなることが気になってしまうようなら、初めからツヤ消しを選ぶのは得策です。

• デメリット

  ツヤ消しはツヤありよりも、汚れやすい・地味な見た目になってしまう・対候性に劣る、といった点が挙げられます。
  ツヤ消しだと外壁の表面がざらざらになるので、必然的に汚れが付きやすい・水捌けもツヤありより悪く、コケやカビが発生するリスクが高くなるでしょう。
  また、ツヤがないとぱっと見の印象で地味だと感じてしまう人もいます。
  落ち着いた印象でありながら多少ツヤもある3分ツヤを選ぶなどすれば、地味に印象を回避しやすくなるのでおすすめです。
  さらに、ツヤ消しはツヤ消し材を添加しているため、どうしても性能が劣ってしまいます。
  変色などの劣化症状が出やすくなってしまうこともあるため、理解した上で選ぶようにしましょう。

■最後に…

外壁塗装の仕上げには、ツヤありとツヤ消しがあります。
ツヤありに関しては、ツヤの具合によって種類が細かく分類されることも覚えておくと良いでしょう。
ツヤありとツヤ消しでは、それぞれの特徴も異なります。
どのような仕上がりにしたいのかによって、最適な選択肢が異なるのでイメージを膨らませておくことをおすすめします。
そうすることにより、高級感や煌びやかさなどがイメージとは違ったと後悔する可能性は大幅に低くなるからです。
イメージが湧かない場合は、依頼予定の塗装業者に相談してみると周辺環境などを加味して最適なツヤ感を提案してもらえるはずです。

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