外壁塗装する際、欠かせないのが『足場』です。

「工事が終わったら解体してしまうし、本当に使わないといけないもの？できれば足場を建てないで工事費用をおさえたい」そう思われる方も多いと思います。
しかし、足場は塗装工事には欠かせないのです。

今回は足場の役割や種類、費用相場についてご紹介します。

■足場の必要性

まず第一に、工事現場において職人の安全確保は非常に重要です。
とくに、高所作業が多い外壁塗装に足場は欠かせません。さらに、作業効率の向上や塗料がまわりに飛散しないように足場に飛散防止シートをかけることで近隣住宅への配慮が出来ます。

・作業効率の向上と施工品質の確保

外壁・屋根塗装において足場は、作業効率や施工品質に大きく影響します。足場を行わない塗装工事の場合は、脚立やはしごで行います。この場合、脚立やはしごの昇り降りは時間と手間がかかり、スムーズに作業することが出来ません。

仮に塗装出来たとしても外壁の塗り残しや、ムラになっている部分がないかなど、仕上がり後の細かな確認が出来ません。作業効率だけでなく、綺麗な仕上がりにするために足場が必要です。

・職人の安全を確保

先述した通り、外壁・屋根塗装は高所での作業工程が多く、常に転落の危険です。
現場では細心の注意を払って作業をしていても、いつ何があるか分かりません。国が定めた安全の最低基準として労働安全衛生法では、２m以上の高所で作業をするときは安全対策として、足場の設置が義務づけられています。お客様の大切なお家で、事故が起こらないために、必ず足場が必要です。

・塗料飛散防止、ご近隣様への配慮

足場をかける時に塗料が周りに飛散しないためにメッシュシートをはります。それだけでなく、通常、ローラーや刷毛などを使って手塗りで作業します。これはご近隣様のお家に塗料が飛ばないようにするためです。工事中に近隣様とトラブルにならないような配慮が絶対必要です。

 

■足場の費用と種類

足場工事はお家の大きさや立地場所によって異なりますが、大体1日～2日で作業を行い、20万円前後の費用が掛かります。

会社によっては日割りで足場の金額を算出しますので、最終的にいくら費用が掛かるのかを確認しましょう。弊社の場合は日割りでの計算ではありませんので工事日数にかかわらず一式の費用です。

足場にも沢山種類があります。それぞれ細かくご紹介していきます。

・単管足場
鋼管（鉄パイプ）にクランプ金具とボルトで固定して組み立てられた足場です。住宅・ビルなど建物の規模や形状によって調整しやすいのが特長で、足場の設置面積が少ない場所で多く使われています。

・単管ブラケット足場

単管ブラケット足場は形状や角度を自由に調整できるため、３階以上の住宅やビルでの施工現場で使われている足場です。単管足場よりも安全性に優れているのが特長ですが、組み立て設置の期間が長く、いったんボルトが緩むと揺れやすくなってしまう欠点があります。

・クサビ(ビケ)足場

クサビ足場は足場を組み立てるために必要な各パーツに、クサビをハンマーで打ち込んで組み立てる足場で、ビケ足場とも呼ばれています。設置面積が狭い木造低層住宅から中層まで対応しています。よく、高層ビルの外壁塗装にも使われていますね。ハンマーのみで組み立てができるので設置期間も短く、安全性にも優れているのが特長です。ミヤケンの足場組はこの、クサビ（ビケ）足場を使用しています。

・屋根足場

その名の通り、屋根面に組み立てる足場の事です。急勾配な屋根専用の足場です。一般的に屋根の勾配が5寸以上ある場合は屋根足場組が義務付けられています。

 

■こんな場合は足場の費用は高くなる

繁華街やマンション、密集した住宅でお隣の建物との間が非常に狭い敷地に足場を建てる場合、搬入や組立の時間がかかるため、通常よりも足場の金額（単価）が高くなります。

ほかにも、3階以上の建物も同じです。周辺スペースが狭い場合や3階以上の建物に足場を組む時には、事前に業者と打ち合わせを行う必要があります。

 

■足場が無料と言われた場合は注意が必要？

業者の中には「足場の費用を無料です！」と案内をしてくれる業者がいます。「足場代も決して安いわけではないので、無料になるならラッキー！」と思う方も多いかと思いますが、これはおおきな落とし穴かもしれません。

足場費用を無料にしている場合、他の部分で高額な請求をしている可能性があり、最終的に通常の塗装工事よりも高い金額になっているという話もお聞きします。

そのため、足場費用を無料と言われた場合には、お客様自身でお見積り書の内容をしっかりと確認する必要があります。

■足場の金額が気になったら相見積もりを

足場は外壁塗装の仕上がりや安全にも関係する、必要不可欠な工事です。

塗装工事は決して安い買い物ではないので、「足場代は無料です！」といううたい文句は魅力的です。しかし、他の項目で足場の費用を上乗せされている可能性もあるので注意が必要です。

お見積りが適切なものか確認するためにも、他社の見積もりと比較しましょう。足場代にとらわれずお見積もり書全体、そしてしっかりと内容を説明してくれる業者を選ぶことが失敗しない業者選びにつながります。