屋根に作られた鳥の巣は勝手に撤去して良い？正しい撤去方法と対策をご紹介！
家に鳥の巣が作られると、フンによる被害や騒音など、多くの問題に悩まされるため、巣を見つけたら一刻も早く撤去したいという方もいるでしょう。
しかし、鳥の巣を勝手に撤去すると、法律に違反する恐れがあることはご存じでしょうか？
今回は、正しい鳥の巣の撤去方法と、巣を作られないようにするための対策をご紹介していきます。
毎年鳥の巣に頭を悩ませている方は、ぜひ参考にしてください。
鳥が巣を作りやすいのは？
鳥は雨や風をしのげて、なおかつ外敵に襲われにくい場所に巣を作る傾向にあります。
そのため、高さがあって外からも見えにくい屋根付近は、鳥が巣を作るのに絶好の場所といえます。
具体的に鳥が巣を作りやすいのは、以下のような場所です。
- 軒下
- 屋根瓦の下
- ベランダ
- エアコンの室外機の下
- 開閉していない雨戸の戸袋
- 天井裏
- 雨樋
また、小型の鳥は、エアコンや換気扇のダクトの中、使用していない室外機の中に巣を作ることもあります。
ダクトカバーが外れていたり、外壁や屋根に隙間ができていたりして、鳥が入り込むようになっている場合は注意してください。
鳥の巣を勝手に処分するのは法律違反！
自宅に鳥の巣が作られた場合、すぐにでも撤去したいという方もいるかもしれませんが、撤去するタイミングには気をつけなければなりません。
基本的に鳥の巣を処分して良いのは、巣作りの途中である場合と、すでに雛が巣立っている場合のみで、卵や雛がいる巣を撤去した場合は鳥獣保護法違反になります。
鳥獣保護法第8条では、鳥を傷つけること・捕獲すること・鳥の卵を採取したり損傷させたりすることが禁止されています。
もし、卵や雛がいる巣を撤去し、鳥獣保護法に違反すれば、1年以上の懲役もしくは100万円以下の罰金が科せられます。
そのため、どうしても雛の巣立ちまで待てないという場合は、市区町村や県から許可を取った上で対応するようにしましょう。
鳥の巣は正しい手順で撤去しよう
巣が完成しておらず、卵がまだない状態の時や、雛が巣立って空っぽになっている時は、自己判断で巣を撤去することができます。
鳥の巣の正しい撤去の手順は、以下のとおりです。
- 手袋、マスク、ゴーグルを着用する
鳥の巣の中には、ダニや菌、乾燥したフンなど、感染症の原因となる物質が大量にあります。
作業を始める前に必ず、手袋、マスク、ゴーグルを着用しましょう。 - 巣とその周辺を消毒液で湿らせる
巣が乾燥している状態で取り外すと、ホコリや菌、フンなどが周囲に舞い上がってしまうため、事前に消毒液で湿らせておきます。
この時、消毒用のアルコールスプレーなどを使うと便利です。 - 巣を捨てて掃除をする
取り外した巣を、2枚重ねにしたビニール袋に入れ、完全に密封してから捨てます。
また、巣があった場所は水をつけたブラシや新聞紙で丁寧に擦って、綺麗に掃除してください。 - 再度消毒する
最後に、巣のあった場所に再度、消毒液を撒いて除菌します。
巣を撤去する際の注意点として、法令違反にならないよう、卵や雛の有無をしっかり確認しておく必要があります。
巣の中が見えずどのような状態かわからない場合は、親鳥の動向を数日観察するか、繁殖期が終わるまで待つなどし、決して安易に撤去してはいけません。
また、鳥の巣の撤去作業中は、多くのダニや菌、フンなどが舞います。
手袋・マスク・ゴーグルをつけたり、消毒液で湿らせたりしても、感染症やアレルギーと完全に切り離すことはできないため、
心配な方は無理をせず、プロの駆除業者に依頼するのがおすすめです。
鳥の巣を作らせないことが大切
一度巣が作られたということは、そこが鳥にとって安全で居心地の良い場所であるということです。
そのため、今ある巣を取り除いたとしても、何らかの対策をしなければ、再び巣が作られる可能性は十分にあります。
ここからは、鳥に巣を作らせないようにする対策をご紹介します。
- 光や音が出るグッズを吊るす
鳥は光るものを嫌う性質があるので、CDやアルミホイルを吊るしておくと良いと聞いたことがある方もいるでしょう。
また、光や音で驚かせて鳥を寄せ付けないグッズも販売されています。
ところがこれらは、最初は驚いて近づいてこなかったとしても、慣れてしまうと効果がなくなります。
そこで最近では、光方や音の出方が何パターンもあって、それがランダムに選ばれる製品も出てきているのでより効果を期待できるでしょう。 - 天敵を模したフィギュアを置く
ホームセンターなどでは、蛇やカラス、フクロウなど、鳥の天敵を模したグッズが売られており、おもちゃ屋さんでも安価で購入できます。
ただし、これも光や音と同じように効果があるのは最初だけで、自分に危害を与えないことがわかれば再び寄ってくるようになってしまいます。 - ネットを設置する
鳥よけ対策として最も効果があるのは、ネットを設置する方法です。
例えば、太陽光パネルが設置されているような屋根の場合、パネルと屋根の隙間に巣が作られやすいので、
ネットを張って隙間を塞ぐことで鳥が侵入できないようにします。
ネットには様々な種類がありますが、なるべく網目が細かいものを選ぶと良いでしょう。
また、景観を損ないたくない場合は、透明なネットもあります。 - 屋根の劣化や破損部分を補修する
軒先がはがれていたり、破損していたりすると、その隙間から鳥が侵入して巣を作ってしまいます。
軒の中に鳥のフンやダニ、カビなどがはびこれば健康にも影響を及ぼしますし、材木の腐食や劣化にもつながります。
そうすると、大規模な修繕工事が必要となり高額な工事費用もかかるので、破損部分を見つけたら早めに補修しておきましょう。
そもそも鳥の巣ができない環境にするには、屋根やその周辺を定期的に専門業者に点検してもらうことも大切です。
鳥の巣を放置するとどうなる？
鳥の巣を放置していると、以下のような様々な問題が出てきます。
- 騒音問題
家の敷地内に鳥の巣があれば、鳥の鳴き声や羽ばたく音などが間近で聞こえるため、非常に耳障りに感じます。
特に雛がいる場合は、朝や昼間に限らず夜中に鳴くこともめずらしくないので、一日中騒音に悩まされることになります。
さらに、繁殖時期の野鳥は、卵や雛を守ることに必死となっており、近くにいる人間が威嚇攻撃を受ける危険もあるのです。 - ダニやノミなどによる被害
野鳥の体には、ダニやノミ、寄生虫などが付いていることも少なくありません。
巣やフンにダニやノミがいる可能性もあるので、人間やペットに移ることも十分に考えられます。
ダニやノミによって、アレルギーが発症したり、刺されて痒みや痛みが生じたりと様々な健康被害をもたらすため、注意が必要です。 - フンによる被害
鳥のフンには、多量のウイルスや菌が含まれています。
乾燥したフンが風で空気中に舞い上がって、それを人が吸い込んでしまうと、アレルギーや病気につながる恐れがあります。
特に、免疫力の低い子どもや高齢者は重症化するリスクが高く、命にかかわることは稀と言っても油断できません。
鳥の巣の除去には注意が必要です
家に鳥の巣があると困るからといって、卵や雛がいる状態で撤去すると、鳥獣保護法違反になります。
また、鳥の巣を撤去するには、ウイルスや菌に触れたり吸い込んだりしないよう細心の注意を払う必要があります。
撤去後も、掃除や消毒をするなど、かなりの労力がかかるため、自分で撤去できる自信がない方は、専門の事業者に依頼するのがおすすめです。
また、一番大事なことは巣を作らせないことであるため、この記事を参考に鳥よけ対策もしっかり行いましょう。
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