デザイン性が高くおしゃれなアスファルトシングル材は、洋風デザインの屋根に適しているため、最近注目されている屋根材の1つです。
しかし、長く安心して暮らしていくためには、デザイン性だけでなく耐久性や防水性などが気になる方も多いでしょう。
今回は、アスファルトシングルについて、その特徴やメリット・デメリット、メンテナンス方法について解説します。
どの屋根材が良いのか迷っている方やアスファルトシングル屋根を検討している方はぜひ参考にしてみてみてくださいね。

使いやすさ抜群のアスファルトシングルとは？

アスファルトシングルは、100年以上前に北米で開発された屋根材です。
今でもアメリカやカナダで人気の屋根材として普及しています。
ガラスの繊維を表面にアスファルトを浸透させ、コーティングしたシート状の屋根材です。
軽量で加工しやすく、着色した石粒のカラーバリエーションも豊富でデザイン性も高いこともあり、和洋関係なく使いやすい屋根材として日本でも使用者が増えています。

アスファルトシングル屋根・5つのメリット

デザイン性があり、おしゃれで使いやすいと評判のアスファルトシングルですが、他にどのようなメリットがあるのでしょうか？
ここでは、アスファルトシングル屋根のメリットを5つご紹介します。

• 雨漏りが起きにくい
  アスファルトシングルは、防水シートを仕上げ材に使用した屋根材なので耐水性が高いです。
  アスファルトシングル屋根を施工する際は、専用のセメント・接着剤を使用するので、ルーフィングに穴を開けずに施工できます。
  また、原料に使用されたガラス繊維とアスファルトが高防水性であることからも雨漏りが起きにくい屋根材と言えるでしょう。

• 遮音性が高いので雨音が気にならない
  
  多くのアスファルトシングル屋根は、表面に細かく砕かれた天然石が吹き付けられています。
  そのため、雨が屋根に当たっても天然石が緩衝材の働きをして音が分散され、雨音が屋根裏や室内に響きにくくなります。
  トタン屋根や金属屋根のように雨音が気になるという心配も少ないでしょう。

• 加工しやすく、割れやさびに強い
  
  アスファルトシングル材は、薄いシート状で柔らかい材質なので割れにくく、金属を含まないのでさびにも強いです。
  シートが柔らかく薄いのでカッターやハサミでも加工でき、曲面にも貼れるので施工しやすい特徴があります。
  加工しやすく使いやすいため、DIYにもよく使用されています。

• 軽くて耐震性がある
  
  アスファルトシングル材の重さは、スレート屋根の1/2、屋根瓦の1/4と非常に軽いです。
  重い素材だと、建物に負担がかかるので地震が起きた際に不安が残ります。
  その点、アスファルトシングル屋根は屋根材が軽いため負担がかかりにくく、耐震性が高いです。
  地震大国の日本では安心して使用できる屋根材と言えます。

アスファルトシングル屋根・5つのデメリット

アスファルトシングルのメリットを知った上で、デメリットも押さえておく必要があります。
アスファルトシングル屋根のデメリットは以下のとおりです。

• 劣化しやすくコケやカビが発生しやすい
  
  アスファルトシングル屋根の表面は、石粒が吹き付けられているのでザラザラと凹凸があり、雨など水が流れにくいです。
  水が流れにくいということは、湿気が残りやすくコケやカビが発生しやすくなります。
  屋根が日当たりの悪い北側にある、湿気がこもりやすい地域などの場合は、アスファルトシングル以外の屋根材を選んだ方が良いでしょう。

• 強風ではがれやすいので注意が必要
  
  アスファルトシングルのメリットである軽さがデメリットとなるケースもあります。
  屋根材が薄く軽い、また接着剤で施工しているため、セメントの塗りや圧着が不十分だった場合、強風ではがれたり屋根材が破損したりする可能性もあるため注意が必要です。

• 表面の石粒がはがれ落ちる
  
  アスファルトシングルの表面に吹き付けられた石粒が、経年劣化ではがれ落ちてくることがあります。
  ボロボロとはがれ落ちる石粒で、庭や敷地が汚れたり草木が傷ついたりする恐れがあるので、日々の手入れやメンテナンスが必要になってくるでしょう。

• 勾配がない屋根への施工に向かない
  アスファルトシングルは水はけを確保しなければならないので、勾配の緩い屋根への施工には向いていません。
  ほとんどの商品が3.5～27.5寸（約20～70度以下）と標準勾配が指定されているので、低勾配の屋根を軽量な屋根材に変えたいのであれば、アスファルトシングルよりもガルバリウム鋼板がおすすめです。

• 施工業者を探しにくい
  
  定期的なメンテナンスを行っていれば、アスファルトシングルは異常があったとしても簡単な補修で対応できる屋根材です。
  しかし、国内の流通量がまだ少ないため、アスファルトシングルの取り扱いに長けた施工業者が多くありません。
  張り替えやメンテナンスを依頼したくても業者探しに苦戦する可能性があるでしょう。

アスファルトシングルのメンテナンス方法について

アスファルトシングルの耐用年数は約20～30年とされており、他の屋根材と比べて少し短めの分類になります。
しかし、定期的なメンテナンスによって耐用年数を延ばすことも可能です。
5～10年を目安にはがれの点検や補修、メンテナンスを行いましょう。
屋根の異常に早めに気づき対応することが、被害も補修費用も最小限に抑えられると言えます。
アスファルトシングルの施工実績が少ない施工業者も多いので、基本的なメンテナンス方法について押さえておくと良いでしょう。

• はがれの補修
  アスファルトシングルが少しでもはがれていたら、接着剤やタッカーを用いて補修作業をしましょう。

• 塗装
  
  カビやコケの除去のための高圧洗浄後や色があせてしまった場合など塗装が必要な場合もあります。
  石粒のはがれが気になる場合も塗装によって保護できるでしょう。
  アスファルトシングルは、柔らかいシート状の屋根材なので、長期間奉仕していると弾力性が落ちて切れやすくなるので、弾力性があるうちに塗装してください。

• カバー工法
  
  表面の屋根が傷んでいても、屋根の下地に問題がなければ現状の屋根の上から新しい屋根を被せるカバー工法で対応できます。
  今の屋根を撤去せずに補修できるため、費用を抑えられるメリットがあります。

• 葺き替え
  
  雨漏りしていたり、手で曲げると割れてしまったりする場合は葺き替えが必要になります。
  葺き替え工事は、屋根を撤去し、下地から葺き替えていく大掛かりな工事になるため、費用も大きく工期も長くなります。

アスファルトシングルの塗装時に注意しておきたいポイント

アスファルトシングル屋根を塗装したからといって、耐用年数が長くなるとは限りません。
塗装をすれば、美観や表面の石粒のはがれを抑えることはできますが、劣化症状が激しい場合は、塗装以外の補修が必要になるでしょう。
また、塗装の際に注意しておきたいポイントとして、塗料選びが挙げられます。
塗料は必ず「水性塗料」を使用してください。
なぜなら、油性塗料を使用するとアスファルト成分が溶けて染み出てしまう危険性があるからです。
また、塗装した際には、屋根材が重なる部分に入り込んだ塗料を乾燥後にはがす「縁切り」作業を行いましょう。
この作業を怠ると隙間に雨水が溜まり、雨漏りの原因になるので注意しましょう。

おしゃれで機能性の高いアスファルトシングル屋根

今回は、アスファルトシングル屋根の特徴やメリット・デメリット、メンテナンス方法についてご紹介しました。
アスファルトシングルは、価格も安く、機能性も高い優れた屋根材です。
しかし、メリットが多い反面、コケやカビが生えやすく、地域によっては適さない場合もあります。
この記事を参考に、アスファルトシングルが自宅の屋根に適しているか検討してみてください。
また、おしゃれで機能性の高い屋根を楽しむためには、正しい時期に適切なメンテナンスが必要です。
5～10年ごとに定期的な点検を心がけましょう。

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